【介護施設】受付業務に関する意外な盲点 | 身近なDXで紙の面会表・電話取次ぎを削減し、来訪者対応をスムーズにする方法
日本は少子高齢化が進み、2025年には団塊の世代が75歳以上になると予想されています。人手不足が深刻化する介護業界では、スタッフの肉体的・精神的負担をいかに減らすかが大きなテーマです。特に面会対応や業者の出入りなど、意外な盲点として多くの工数がかかる受付業務を効率化することで、本来のケアに集中できるようにする動きが高まっています。こうした背景から、紙中心のアナログな受付をDX(デジタルトランスフォーメーション)で改善しようとする施設が増えてきました。
1. 受付業務の課題と現状
介護施設の受付には、利用者ご家族や取引業者などが頻繁に来訪します。そのたびにスタッフが対応しなければならず、さまざまな課題が浮き彫りになります。以下では代表的な問題点を詳しく解説します。
1-1.紙の面会表や受付表の手書き負担
- 同じ情報を何度も記入:家族や業者は、訪問回数が多いほど手書きの負担が増える。実際に何十枚も家に持ち帰りまとめて記入する方もいます。
- スタッフの確認作業:読みにくい文字や必要事項の書き忘れがあると、修正に手間がかかる。またコロナ化ではペンや鉛筆を毎回消毒する作業も発生。
- 心理的ストレス:手先の不自由な高齢者にとって、細かい文字を書き続けるのは大きな負担になる。
1-2.書類のスキャン・保管コスト
- スキャン・フォルダリングの時間的ロス:受付終了後にまとめてスキャン保存、ファイリング、また介護ソフトへの転記作業など、残業の要因になりやすい。
- 紙の長期保管が必要:法令やトラブル対策として複数年保管するケースが多く、倉庫スペースや紛失リスクが発生。
- 費用負担:紙、インク、スキャナなどの消耗品コストに加え、人件費がかさむ。
1-3.電話取次ぎや担当呼び出し
- 繰り返しコールの非効率:担当スタッフが離席中だと何度も呼び出す必要があり、面会者を待たせるリスク。
- 業務の中断:電話対応に追われることで、ほかの作業が一時ストップ。
- 緊急時の混乱:急な連絡が重なると誰がどの案件を対応中か分からなくなり、現場が混乱しがち。
1-4.スタッフの疲弊と離職リスク
- 業務過多:受付対応とケア業務を掛け持ちすることで、スタッフが慢性的に忙しくなる。またスタッフ間の電話の取次にも工数がかかってしまう。
- スキルの属人化:特定のスタッフだけが受付のノウハウを持つと、休暇や退職で業務が回らなくなる恐れ。
- ケア時間の減少:受付対応に追われる分、本来の介護サービスに割く時間が不足しやすい。
これらの課題を放置すれば、スタッフのモチベーション低下や離職率上昇を招き、施設運営にも深刻な影響を及ぼします。そこで注目されるのが、身近なDXを取り入れて受付を改善し、スタッフをケアに集中させるアプローチです。
4. 受付DX導入のステップと注意点
1.課題の洗い出し
・面会者数や受付対応の頻度を把握し、どの部分を優先的にDX化したいか明確にする。
2.システム選定と運用ルール策定
・タブレット受付か、ロボット受付か、既存の面会予約システムとの連動かなど、予算や施設規模に合う方法を検討。
・個人情報保護やクラウド連携などのセキュリティ要件も忘れずにチェック。
3.スタッフへの周知・研修
・新システムの利用方法をマニュアル化し、スタッフが不安なく使いこなせるよう研修を行う。
4.導入後の効果測定と改善
・受付対応時間や残業時間などの指標を定期的に記録し、運用を最適化。
5.応用展開
・受付DXの成功事例をもとに、他の業務(見守りシステム、ナースコール対応など)へもDXを拡大検討する。
お問い合わせ・関連サービスのご案内
- 受付DXや無人受付システム導入に興味がある方:当社では、介護施設向けに最適化したソリューションのご提案と運用サポートを行っています。お気軽にご相談ください。
- その他の介護DXソリューション:コミュニケーションロボットやAI見守りシステムなど、幅広いサービスを提供しております。詳細は当社ホームページへ。