はじめてのMOSFET

今回の記事はTexas Instruments(以下、TI社と表記)のMOSFET製品をはじめて使う、ご検討いただくお客様を対象として、MOSFETについて、使用している場所、データシートでのスペックについて説明しております。

MOSFETとは?

MOSFETは(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の略称で、3つの端子( ゲート:G、ドレイン:D、ソース:S)からなるスイッチデバイスの一種です。

MOSFETってどんなところで使用されているの?

はじめての電源シリーズでご紹介した製品の電源回路の部分で使用されています。

●コンセントの後段 ⇒ACアダプタ
●人が触れる部分の前段⇒ドライヤー
●インターフェース周辺⇒パソコン
●LED 周辺⇒LED 用電源

例えばACアダプタに最適なデバイス“UCC28780”の回路図を確認すると、3箇所でMOSFETが使用されていることがわかります。

MOSFETは
①メインスイッチ用(QL
②アクティブ・クランプ用(QH
③2次側同期整流用(Qsec
として使用されています。

MOSFETってどんな種類があるの?

NチャネルとPチャネル

MOSFETにはNチャネルとPチャネルがあります。チャネルの違いにより、電圧の加え方が異なります。

MOSFETのデータシートのスペックは?

絶対最大定格と電気的特性

データシートには絶対最大定格と電気的特性があります。絶対最大定格は、その値を超えるとデバイスが破壊する可能性がある値です。それに対して、電気的特性は性能を保証する値です。

絶対最大定格 キースペック

MOSFETの絶対最大定格で押さえておくキースペックは下記のとおりです。(TA=25℃で規定)

■VDS(ドレイン-ソース電圧)
 ・ゲート・ソース間を短絡したとき、
  ドレイン・ソース間に印加し得る電圧の最大値。
  実質的な耐圧。
■VGS(ゲート-ソース電圧)
 ・ゲート・ソース間に印加可能な最大電圧。
  MOSFETを駆動する最大電圧。
■ID(ドレイン電流)
 ・ドレインに連続的に流せる電流の最大値。
  最大電流の指標。
■IDM/IDP(パルスドレイン電流)
 ・ドレインに瞬間的に流せる電流の最大値。
■PD(許容損失)
 ・MOSFET自身が消費できる最大電力。

電気的特性 キースペック

MOSFETの電気的特性で押さえておくキースペックは下記のとおりです。(TA=25℃で規定)

■VGS(th) (ゲート-ソース間 しきい値電圧)
 ・MOSFETのON/OFFのしきい値の電圧。
■RDS(ON)(ドレイン-ソース間オン抵抗)
 ・ドレイン-ソース間のオン状態の内部抵抗値。効率等の損失に大きくかかわるファクター。
 ・温度によって変化が大きいので注意が必要。
■Qg(トータル・ゲート・チャージ量)
 ・パワーMOSFETをオンからオフ、オフからオンへ切り替える際に、ゲート電極に注入する必要がある電荷量。
■Qgs(ゲート-ソース・チャージ量)
 ・VGSのカーブがVGS =0Vから平らになる点までがゲート-ソース間容量をチャージを完了するまでの電荷量。
■Qgd(ゲート-ドレインチャージ容量)
 ・ミラー効果の平らな部分のミラー容量を充電する期間の電荷量。

オン抵抗(RDS(ON))の変化について

オン抵抗はVGS、温度に依存することから、どの程度変化するかを事前にデータシートの下記グラフで、確認する必要があります。

MOSFETの安全動作領域とは?

安全動作領域(SOA)

SOA(Safety Operating Area)とは“ON抵抗”、“電流”、“熱”、“電圧”から制限されたMOSFETが安全に動作できる領域のことを示します。この領域内で使用する必要があります。

①ON抵抗制限領域
 ・ON抵抗(RDS(ON))により制限される領域で、
   ID=VDS/RDS(ON)で計算しています。
②電流制限領域
 ・Drain電流定格で制限される領域です。
  Pulseの場合はON時間にて制限される
  電流値が変化します。
  許容損失PDで制限される領域です。
  PD=ID x VDSで計算します。
③SB(Secondary Breakdown)領域
 ・熱制限状態からさらにVDSを増加させた場合、
  2次降伏現象が発生するため、
  その現象を制限するための領域です。
④電圧制限領域
 ・耐圧VDSにより制限される領域です。

セミナプログラムの紹介

●Power MOSFETは以下のApplicationで広く用いられています。
 ・Switch Mode Power Supply
 ・Load Switch
 ・Battery Protection
 ・Hot Swap
●TI社のPower MOSFETはFOMが優れていることが特徴です。
●本セミナーではMOSFETを選定するうえで、最低限ご理解いただくべきパラメータの説明、
 およびMOSFET選択ツールの使い方を解説します。

Agenda

  • データシートのスペックについて (5頁)
  • Nchとは、Pchとは (2頁)
  • 安全動作領域とは (2頁)
  • MOSFET選択ツールについて (4頁)
  • MOSFET選択 FOMの選定方法 (7頁)
  • MOSFETの選定の一例 (4頁)

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