ミリ波レーダーを使用した車内置き去り検知のご紹介
幼児の車内置き去りが大きな社会問題として取り上げられる中、園でのオペレーションの見直しや車内に取り残された際を想定した園児教育、車内に置き去り検知装置を設置する等、さまざまな側面から対策が求められています。今回は置き去り検知装置としてミリ波レーダーを使用した場合どのように人を検知できるのか、デモ動画を交えてご紹介します。
車内置き去りへの対策について
幼児の車内置き去りが社会問題化されている中、2022年12月に国土交通省より置き去り防止のための安全装置のガイドラインが策定されるなど、置き去り検知装置について関心が高まっています。現在置き去り検知装置として主に開発が進められているのは「降車時確認式」と「自動検知式」の2つの方式に大別されます。
- 降車時確認式
エンジン停止から一定時間経過した後に警報を発信する。警報を停止するためには運転手等が車内の押しボタン等の入力が必要となり、その際に乗員が置き去りにされていないか確認を促す。 - 自動検知式
エンジンを停止後にカメラ等のセンサーで車内の監視を開始する。乗員の置き去りを検知した場合は車外に警報を知らせる。
自動検知式で使用するセンサーには様々な方式が検討されていますが、ここではミリ波レーダーを使用した際のメリットをご紹介します。
置き去り検知装置にミリ波レーダーを使用するメリット
- 非接触で人の存在を検知することができる
- カメラを使用しないため、プライバシーを保護することができる
- 検知エリアの光源や温度等、環境による影響を受けにくい
- 座る・横になる等、静止した状態の人も検知しやすい
置き去り検知デモ
実際にミリ波レーダーを用いて、車内の人を検知した様子をご紹介します。
今回はエスタカヤ電子工業製ミリ波レーダーモジュールを用いて実験を実施しました。
使用機材
- ミリ波レーダーモジュール T68PE_H01010101_3D
- 大型の商用バン → 幼稚園送迎バスをイメージ
- 評価ソフトTitanDemoKitApp
- 三脚、マウンタ
- USBカメラ
実験方法
下図のように、ダッシュボード付近にミリ波レーダーモジュールとカメラを設置し、TitanDemoKitAppにて人(小学校2年生が座る・横たわる・席を移動する)の存在を検知できるかを確認しました。
実験方法の様子
動画
まとめ
いかがでしょうか?今回の実験では、ミリ波レーダーを用いることで人の静動や姿勢に関わらず置き去りの状態を検知することができました。人が動いたことによる車内の揺れやマルチパスの影響で人が存在しない場所にも点群がでていましたが、検知範囲外の点群をフィルタリングしたり相対速度のスレッシュホルドを高めにするなど、後段で認識処理を加えることでより精度の高い検知を実現することが可能です。ミリ波レーダーは他センサーやカメラと比較し、優れた耐環境性や精度、プライバシー保護性を兼ね備えています。置き去り検知装置実現のためのソリューションとして、今後新たな選択肢となることが大いに期待されます