はじめてのNAND フラッシュメモリ Part1 ~メモリ基礎編~
今回の記事はNANDフラッシュ製品をはじめて取り扱う、ご検討いただくお客様を対象として、NANDフラッシュメモリを使用する場所、役割について、4回に分けて説明します。初回となる今回(Part1)は、メモリ全般とFLASHメモリの概要について説明します。
はじめてのNAND フラッシュメモリ Part2 ~フラッシュ基礎編~はこちら>>
はじめてのNAND フラッシュメモリ Part3 ~知っておきたいNANDフラッシュメモリの特長~はこちら>>
はじめてのNAND フラッシュメモリ Part4 ~知っておきたいNANDフラッシュメモリ製品の機能 ~はこちら>>
メモリの役割
まずはじめに、メモリの役割とは一体どんなものなのでしょうか?
デジタル機器を構成する半導体ICの中で、デジタル情報の記憶や保存などを担うのがメモリICです。
マイクロプロセッサやマイクロコントローラなどを中核とするシステムでは、
CPUに近い (高速I/Fを必要とする)側から、以下2種類のメモリに分類されます。
・CPUを動かすプログラムやプログラムが扱うデータなどを一時的に記憶しておくメモリ(メイン・メモリ)
・プログラムを記憶したり、データを記憶するメモリ(ストレージ・メモリ)
メモリの分類
メモリの種類には、どのようなものがあるでしょうか?
- RAM (ラム:ランダム アクセス メモリ)
電源を切るとデータが消える(揮発性)
データのWrite/Erase回数制限なし
ランダムなアドレスのアクセスが速い - ROM (ロム:リード オンリー メモリ)
電源を切ってもデータは消えない(不揮発性)
データのWrite/Erase回数に制限あり
ランダムなアドレスのアクセスが遅い(NOR>NAND)
・以降のページで、NANDフラッシュメモリ製品の説明をします。
フラッシュメモリの分類
フラッシュメモリの種類には、どのようなものがあるでしょうか?
- NOR FLASH (ノア フラッシュ メモリ)
用途:NANDに比べて、CPUから高速でデータにアクセスが可能なため、CPU起動用データ(Bootデータ)や小容量のデータ保持に多く採用されています。
インターフェイスは、大きく分けてクロック有/無の2種類のインターフェイスがあります- 非同期式パラレルノア(I/F:x8、x16 I/O)
- 同期式シリアルノア(I/F : SPI、Octal、Hyperなど)
- NAND FLASH (ナンド フラッシュ メモリ)
用途:NAND最大の特徴は、メモリの中で最大の容量でかつ低価格なデバイスであることです。
また、シリアルデータの転送レートは速いため、大きなデータの書き込みや読み出しに適したデバイスです。
NANDフラッシュは、一般にNANDコントローラ+ファームウェア(NAND制御プログラム)+NANDの構成で製品化され、インターフェイスも規格化された使いやすいものになっています。
・以降のページで、フラッシュメモリの説明をします。
NANDフラッシュメモリを搭載した製品群
フラッシュメモリを搭載した製品には、どのようなものがあるの?
●NANDフラッシュを搭載した製品
NANDフラッシュメモリは、その特性を上手にコントロールして使う必要がありますが、ユーザーがNANDフラッシュを簡単に使うために、NANDフラッシュと専用のコントローラ(ファームウェア)を組み合わせた製品が準備されています。
●製品群
①SD Card/microSD Card
SD(secure digital card)は、SDA(SD Association)によって規格化されており、Cardタイプで現在広く普及しています。
②e.MMC
e.MMC(embedded Multi Media Card)は、JEDECによって規格化されており、現在e.MMC5.1が最新の規格となっています。
③UFS
UFS(Universal Flash Storage)は、シリアルインターフェイスで高速データ通信を規格化(JEDEC)した製品です。現在UFS4.0が最新の規格として公開されています。
④SSD
SSD(Solid State Drive)は、HDDの置き換えを想定した製品として、同じインターフェイス(I/F)のSATA製品や、より高速通信が可能なPCI expressを備えた製品が製造されています。
まとめ
次回Part2では、FLASHメモリの基礎について説明します。