ミリ波レーダーモジュール評価キット TITANのご紹介
モジュールのモチベーション
ミリ波レーダーは現在、多くの半導体ベンダーからMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)として1チップ化されたICがリリースされています。 しかし、ミリ波という高周波を扱うには、基板・回路やアンテナ設計において専門性の高い技術力が求められます。加えて、国内での利用には電波法に基づく認証取得も必須となるため、ICを購入するだけで容易にミリ波レーダーを活用できるわけではないのが実情です。
こうした課題を解決するため、当社ではエスタカヤ電子工業製のミリ波レーダーモジュール評価キット TITANを販売しております。これにより法規制の制約を気にすることなくミリ波レーダーの性能をお試しいただけるほか、量産設計における技術的課題もクリアできるソリューションとして提供いたします。
TITANとは?
ミリ波レーダモジュール評価キット TITANは、PCとUSB接続するだけで簡単に評価することが可能です。また、評価キットには評価用ソフトウェア(TitanDemoKitApp)等のソフトウェア類及びドキュメント類が付属します。
TITANの各モデルを用いて、以下のようにそれぞれ目的に適したデータを出力できます。
TITANシリーズの比較
モデルごとの主な特徴は下の表の通りです。
| シリーズ | 帯域 (GHz) |
アンテナ※1 | 量産 対応 |
出力データ | TitanDemoKitApp | Raw/FFT取得環境 (Windows10) |
主な特長 | 主な アプリケーション |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| T14RE | 79 | 2D 2R5D 3D |
◯ | Rawデータ(IQデータ) もしくは Range FFT処理済みデータ (IQデータ) |
◯※2 | ・Visual Studio C# Project ・MATLAB ・Python ・LabVIEW ・T14reTool |
・後段のPC(Windows11)とUSB接続しIF信号のRawData or FFTデータをストリーミング可能(最大500fps) ・後段で自由に信号処理を実装可能 ・UVC対応のLinux機でもデータ取得可能 |
・バイタルセンシング ・R&D用途 |
| T18PE | 76 | 2R5D | ◯ | 点群 | ◯ | − | ・ロングレンジ(~149m)のセンシングが可能 | ・ITS(交通監視) |
| 79 | 2D 2R5D 3D |
◯ | 点群 | ◯ | − | ・近〜中距離(~50m)のセンシングが可能 | ・セキュリティ ・車両検知 ・レベルセンシング |
|
| T68PE | 60 | 2D 3D |
◯ | 点群 | ◯ | − | ・近距離(~10m)のセンシングが可能 | ・セキュリティ ・車両検知 ・レベルセンシング |
| T68PE2 | 60 | 2D | ◯ | 点群 | ◯ | − | ・近距離(~8m)および遠距離(~300m)のセンシングが可能 | ・ドローン ・セキュリティ ・レベルセンシング ・ITS(交通監視) |
| T68AOP | 60 | 3D | ◯ | 点群 | ◯ | − | ・近距離(~9.6m)のセンシングが可能 ・MMICにアンテナを実装、小型、低コスト |
・セキュリティ ・車両検知 |
※1:アンテナ形状
2D = 方位角分解に特化
2R5D = 方位角分解に加え仰角分解能を持たせたバランスタイプ
3D = 立体検知に特化
※2:IF信号のRawおよびRange FFTデータからPC側で信号処理して点群等を表示
TITAN評価用ソフトウェア
T68AOP
60GHz帯ミリ波レーダーモジュール評価キットT68AOPは、点群出力専用の小型モデルです。AOP(Anntena-On-Package)と呼ばれる、アンテナ一体型のMMICを採用し、他TITANシリーズと比較し小型かつ低コストに3次元の点群情報取得が可能です。
主な特長:
- 3Dセンシングに対応(点群情報)
- アンテナをMMICパッケージに実装(AOP)
- 小型(65(W)×6(D)×20(H))
- TitanDemoKitAppで点群等の情報をリアルタイムに表示可能
- 既存のシステム(マイコン等)にUART(2系統)でモジュールを接続することが可能
- 量産対応可能
- 電波法認証取得済み
T68PE2
60GHz帯ミリ波レーダーモジュール評価キットT68PE2は、遠近両用の点群出力対応モデルです。アンテナ構成を従来モデルから変更し、2種類の送信アンテナを実装することで、近距離から遠距離(最大300m)までの測定が可能です。センサー近傍では広FoV、遠方では狭いFoVを実現しており、用途に応じて動作モードの使い分けていただけます。
主な特長:
- 2Dセンシングに対応(点群情報)
- 距離毎に3つの動作モード(Short/Mid/Long)を用意、各動作モードを時分割で動作させ遠近双方のデータ取得が可能
- TitanDemoKitAppで点群等の情報をリアルタイムに表示可能
- 既存のシステム(マイコン等)にUART(2系統)でモジュールを接続することが可能
- 量産対応可能
- 電波法認証取得済み
T14REシリーズ
79GHz帯ミリ波レーダーモジュール評価キットT14REはIF信号のRawデータ、および、Range FFT データ出力専用モデルとなります。高フレームレート出力に対応したことにより、特にミリ波レーダーを使用した非接触バイタルセンシングを検討している方に最適なモデルで、後段のPC/SBC(Single Board Computer)で独自のアルゴリズムを実装することが可能です。
主な特長:
- 2D、2R5D、3Dのアンテナパターンに対応
- 最大500fpsの高フレームレートを実現
- 付属のコマンドラインツール(T14reTool)を使用してIF信号のRawデータ、および、Range FFTデータを取得可能
- Range FFT データを出力することが可能なため、後段の信号処理量を削減可能
- TitanDemoKitAppで点群等の情報をリアルタイムに表示可能(点群生成のための信号処理はアプリ側で処理)
- C# / MATLAB / Python / LabVIEW等の環境から、IF信号のRawデータ、および、Range FFT データを取得するためのサンプルコードを提供
- 量産対応可能
- 電波法認証取得済み
T18PEシリーズ
76GHz/79GHz帯ミリ波レーダーモジュール評価キットT18PEは点群出力専用モデルです。レーダー信号処理はすべてモジュール内部で行うため、ミリ波レーダーを初めて使用する方や、既存のシステムにレーダー機能の追加を検討している方に最適なモデルです。
主な特長:
- 2D、2R5D、3Dのアンテナパターンに対応(76GHz帯モデルは2R5Dのみ)
- TitanDemoKitAppで点群等の情報をリアルタイムに表示可能
- 既存のシステム(マイコン等)にUART(2系統)でモジュールを接続することが可能
- 量産対応可能
- 電波法認証取得済み
T68PEシリーズ
60GHz帯ミリ波レーダーモジュール評価キットT68PEは点群出力専用モデルです。レーダー信号処理はすべてモジュール内部で行うため、ミリ波レーダーを初めて使用する方や、既存のシステムにレーダー機能の追加を検討している方に最適なモデルです。
60GHz帯は日本国内はもちろん海外でも広く用いられている帯域であり、海外展開も視野に入れたアプリケーションに最適です。
主な特長:
- 2D、3Dのアンテナパターンに対応
- 水平偏波方式の採用により他TITANシリーズと比較し広範囲なFoVを実現
- TitanDemoKitAppで点群等の情報をリアルタイムに表示可能
- 既存のシステム(マイコン等)にUART(2系統)でモジュールを接続することが可能
- 量産対応可能
- 電波法認証取得済み
TITAN評価用ソフトウェア
TitanDemoKitApp
TITAN各モデル共通の評価用ソフトウェアです。TITANとPCを接続するだけですぐに使用することが可能です。詳細はこちらをご確認ください。
Raw Data Capture(T14RE)
T14REでは、サンプルソフト(C#、Python、MATLAB、LabVIEW)またはTitanDemokitApp上でIF信号のRawデータやRange FFTデータの取得・保存が可能です。
TITANの活用例
TITANは様々な用途へ活用いただけます。ここでは代表的なアプリケーション例をご紹介します。
レベルセンシング
河川の水位検知、タンク内残量検知など
人感センシング
見守りセンサー、セキュリティ向けセンサー、建機・ロボット向け周辺監視センサーなど
バイタルセンシング
医療、介護施設における見守りセンサー、バイタルセンシング向け信号処理開発等
まとめ
今回は、ミリ波レーダーモジュール評価キットTITANの概要をご紹介しました。本キットは評価用途として手軽に導入いただけるだけでなく、法規制面の課題もクリアしているため、ミリ波レーダーを用いたアプリケーション開発に即座にご活用いただけます。また、量産化に際してはお客様の要求仕様に合わせた再設計を行い、品質を保証した製品としてご提供いたします。導入に関する詳細は、ぜひお気軽にお問い合わせください。