商品基礎情報
製品概要
Simcenter Miniature Volume Source Q-IND2は、Simcenter™のエンジニアリング技術と精密メカトロニクスの融合により生まれた、極小サイズの低周波音響励振装置です。直径25mm、全長110mmという驚異的なコンパクト設計でありながら、モノポール特性を備えた安定した音響出力を実現。車両のキャビティ内部や家電・航空機部品のアセンブリ内部など、従来の装置では設置できなかった狭小空間においても高精度なFRF測定が可能です。
このミニチュア音源は、そのコンパクトなサイズにもかかわらず、強力な性能を発揮します。中心に配置された2つのドーム構造により、中心からのモノポール(単極子)音響放射を可能にします。 独自の駆動システムは、小さな筐体内で最大の空気変位を生み出すための大きなストロークを実現します。
さらに、内部に搭載されたセンサーが、生成される体積変位に比例した電圧信号をリアルタイムで提供します。 これにより、エンジニアは校正された音響および振動音響の周波数応答関数(FRF)を正確に測定することが可能になります。 Simcenter 低周波モノポール音源と比較して、その体積は5分の1以下であり、より小さな空洞内での加振や、試験対象の振動音響システムへの影響を最小限に抑えることができます。
製品特徴
- 音源強度基準信号の内蔵: 内部センサーにより、加振強度をリアルタイムでモニタリングし、正確なFRF測定をサポートします。
- 高精度なFRF測定: 音響モード解析、空気伝播音源定量化(ASQ)、その他の高度なNVH(騒音・振動・ハーシュネス)解析手法に不可欠な、校正済みのFRFデータを提供します。
- 多様な設置オプション: ミリネジや弾性バンジーコードを使用して様々な方法で懸架できるため、試験対象物からの動的な分離(デカップリング)を実現し、より純粋な音響加振が可能です。
- 温度センサー搭載: PT1000温度センサーを内蔵しており、音源の温度変化を追跡することで、さらに精度の高いFRFデータ取得に貢献します。
- 特許取得済み技術: 特許取得済みの独自の低周波音響発生システムを採用しています。
- 電子機器保護機能: 内蔵された保護回路により、過負荷などから音源内部の電子機器を保護します。
- 長期信頼性のためのサポート: シーメンスでは、内蔵センサーの感度測定サービス(詳細な性能チェックを含む)を提供しており、長期にわたる信頼性の高い使用をサポートします。
アプリケーション事例
Simcenter Q-IND2は、以下のような様々な音響・振動試験や解析に活用いただけます。
- 音響モード解析用FRF測定: 構造物の音響的な共振特性(音響モード)を特定するために、キャビティ内などを精密に加振し、FRFを測定します。
- 車両全体のFRF測定: 車両全体の音響伝達特性や応答を評価するために、車室内などのターゲット箇所を加振し、FRFを測定します。
- 伝達経路解析 (TPA): 騒音や振動が特定の経路をどのように伝播するかを特定するために、音源箇所を模擬的に加振し、各経路からの寄与を分析します。
- 空気伝播音源定量化 (ASQ): コンポーネントやサブシステムが放射する音響パワーや音源強度を正確に特定するために、対象を加振し、放射音を測定・分析します。
- サブシステムの振動音響FRF測定: エンジン、排気系、HVACユニットなどのサブシステム単体の振動音響特性を評価するために、コンポーネントレベルで加振し、FRFを測定します。


使用シーンと活用メリット
Q-IND2は、以下のようなシーンで特に高い効果を発揮します。
自動車業界での音響伝達関数(FRF)測定
- ドアパネル内部の局所音響励振:高密度化する車内構造に対応し、インパネ裏やセンターコンソール奥などアクセス困難な部位での励振が可能。
- EV車両における静音化開発:エンジン音がなくなった分、微細な構造音が問題となるEV車では、音源の局所解析がますます重要です。Q-IND2はその課題を的確にサポートします。
航空宇宙分野でのアセンブリ内部試験
- キャビンモジュールのNVH評価:軽量化された部品に対し、構造共振や伝播音を解析する際のピンポイント励振に活用。
家電・産業機器開発
- 冷蔵庫や空調機の筐体音評価:小型機器の内部構造で発生する騒音源の特定に有効。
技術仕様
寸法 |
Ø25mm × 110mm(ケーブル含130mm) |
重量 |
約300g |
ケーブル開口径 |
Ø7mm |
センサーコネクター |
10-32マイクロドットジャック |
センサーケーブル長 |
3m |
電源ケーブル |
バナナプラグ(4m) |
音響出力レベル |
85dB Lw(フラット入力 50Hz〜2,300Hz) |
使用可能周波数範囲 |
50〜2,000Hz(±2dB) |
モノポール特性 |
50〜2,000Hz |
センサー出力形式 |
電圧(AC) |
開始周波数目安(Cセグメント車両基準) |
車両キャビティ:20Hz、車体構造:100Hz |
推奨アンプ |
Q-AMP |