商品基礎情報
Futonics社製 2μmファイバーレーザー|主な特長
- 高効率
- 効率の良い励起方法を採用することで比較的安価にハイパワー化が可能です。
- マルチモード
- 1台から樹脂溶着に適したマルチモードに対応可能です。
- 充実のラインアップ
- 光学部品をはじめとするさまざまなオプションをご用意しております。
上記項目の補足
- 高効率
- Tm(ツリウム)を媒体とし、790nmの波長のレーザーにて励起を行い2μm(2,000nm)の波長を作り出します。効率の良い励起方法を採用しているため、2μmレーザーの中では高効率のファイバレーザーとなり、比較的に安価にハイパワー化が可能です。
- マルチモード
- 他社製品含め、基本的にファイバレーザーでの提供が多い中、Futonics社では1台からマルチモードに対応可能です。マルチモードレーザーはスポット径が大きくでき、レーザーの熱分布もトップハットに近づくため樹脂溶着の工法には最適です。
※トップハットとは、レーザー照射箇所へのレーザ光が均一に照射されることを指します。中心に行くにしたがってレーザー光が強くなるビームをガウシアンといいます。
2μmマルチモードファイバーレーザー|加工事例
接着剤や吸収剤を用いずに、透明な樹脂同士を溶着することが可能です。
医療向け製品や食品関連製品へのメリットとしては、接着剤をなくせるため、使用上の煩雑な手間がなくなり、さらに、リサイクル性の向上・ランニングコストの削減が期待されます。
下記は、株式会社レーザックス様にて実施いただきました溶着の事例です。
PP同士の三方弁+チューブ 溶着例
点滴などに使用される三方弁とチューブの溶着です。矢印の箇所を一周ぐるっと溶着しております。
【接着剤レス】2μmレーザーによる三方弁の溶着
本動画ではFutonics Laser社の2μmファイバーレーザーを用いてPPでできた 三方弁+チューブを接着剤や吸収剤を用いることなく溶着しているところをご覧いただけます。
特に、溶着箇所がどのような見た目をしているかが分かります。
PP マイクロチューブ溶着例
液体を入れたマイクロチューブの封入溶着です。ひっくり返しても、蓋部の変形を伴わない加圧をしても封入した液体は漏れません。
PMMA 平板2枚+中空の四角柱 溶着例
中身がくりぬいてある四角柱を上下からアクリルの板で挟み溶着をいたしました。こちらも液体を入れておりますが、漏れることなく封入されております。
下記は樹研工業株式会社様より提供いただいた、マイクロ流路の溶着事例です。
マイクロ流路では、シリコンや接着剤を用いて、流路側と蓋を貼り付けているのが一般的となります。
レーザーでの封止をすると、樹脂以外を使用していないため接着剤やシリコンとの薬液の反応をなくすことができます。
COP マイクロ流路 溶着例
上記では、マイクロ流路の外周を溶着しておりますが、条件を詰めることによりマイクロ流路の際まで溶着することも可能です。
Futonics社製2μmファイバーレーザー|製品ラインナップ
メーカ | ドイツ Futonics Laser社 |
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出力 | 低出力モデル 10W, 20W, 30W, 40W, 50W 高出力モデル 200W, 250W |
波長 | 1930nm~2050nm ※オプションにより希望波長を選択可能 |
冷却方式 | 水冷 |
ファイバー端 | FC/PC, SMA, QBH |
ファイバー長 | 1〜20m |
2μmレーザについて|1μmレーザーとの比較
金属や樹脂の加工に使用される一般的なレーザーは基本波と呼ばれる1μm近辺が使用される。樹脂の加工において、1μmの波長では吸収が十分にされず吸収材や添加剤等は必要となります。
しかし、2μmの波長ならば多くの樹脂への吸収率が1μmよりも高く、吸収材がなくても樹脂溶着や切断を行う事が可能となります。