Acconeer Exploration Toolのご紹介 [サービス解説編]
サービスについて
Acconeer Exploration Toolは評価要件毎に「サービス」と呼ばれる4つの機能(Envelope, Power Bins, IQ, Sparse)および関連すデモを提供しています。これらについて詳しく見ていきましょう。
各サービスの解説
Envelope
送受信間に発生する時間遅延および反射波のエネルギー量から物標の距離を算出します。
Envelopeは物標の距離を高精度に測定するのに最も適したサービスです。
Envelopeサービスを応用して、以下のようなデモが用意されています。
- Distance Detector
信号強度しきい値を設定し、しきい値以上のピーク検出に特化したデモです。
- Button press
近距離のピークを検出し、タッチボタンに応用するデモです。
Power Bins
Envelope同様、物標に対する距離および信号強度を計測するサービスです。Envelopeと比較し距離分解能は低下しますが、より簡易的な実装が可能です。距離精度が必要ないユースケースの場合、Power Binは良い選択肢になります。例えば、駐車場の床面にセンサーを設置してパーキングセンサーとして応用する事例もあります。
IQ
反射波の振幅および位相の変化を検出するサービスです。位相の1回転(2π)は半波長(λ/2=約2.5mm)に対応します。この位相の変化を応用することで、EnvelopeやPower Binと比べてより微細な変動を検出することが可能です。
IQサービスを応用して、以下のようなデモが用意されています。
- Breathing
人の胸部をセンシングし、呼吸に伴う胸部の動きを検知するデモです。
- Phase trackingIQサービスで表示した内容に加え、極座標形式の位相プロットを追加したデモです。物標の距離が変動すると、それに応じて位相プロットも回転します。
- Sleep breathing
人が睡眠中であることを想定し、寝返りや呼吸による体の動きを確認できるデモです。
- Obstacle detection
自動走行ロボット等のアプリケーションへの応用を想定した障害物検知デモです。連続した反射波に対してFFTを実行することにより、距離および相対速度を検知することが可能です。
Sparse
Sparseは物標の微細な動きを検出することが可能なサービスです。Sparseは「疎」を表しており、反射波をまばら(6cm毎)にサンプリングして処理を行います。他のサービスと比べ距離分解能は劣りますが、各距離における物標の変動に対して強い反応を示す特徴があり、人の検知や物の振動の検知等に応用することが可能です。
Sparseのサービスを応用して、以下のようなデモが用意されています。
- Presence detection
人が対象のエリアにいるかどうかを検出するのに大変便利なデモです。
- Sparse short-time FFT
Sparseサービスのプロット表示をFFT実行結果のグラフに置き換えたデモです。
- Sparse long-time FFT
Sparseサービスのプロット表示をFFT実行結果グラフに置き換えたデモです。short-time FFTデモより長時間にわたるグラフ表示が行えます。
- Speed
物標の相対速度を検出するデモです。例えばゴルフクラブのヘッドスピードの検出等に応用することが可能です。
まとめ
今回はAcconeer Exploration Toolで評価可能な各サービスについてご紹介しました。評価をすすめるにあたり、各サービスの特長を理解することが非常に重要となります。ご利用のシーンに合わせて最適なサービスを選択してご評価ください。次回は各サービスで設定可能な項目やパラメーターについて説明します。