商品基礎情報
製品概要
Simcenter Qsources Thumper Shaker (Q-TMP)は、5Hzから200Hzの低周波数域における周波数応答関数(FRF)測定に特化した、コンパクトな加振器です。従来のインパクトハンマーを用いた加振が困難な狭いスペースや、より制御された加振が求められる場合に最適です。
外部サポート(支え)が不要な設計により、加振器、力センサー、試験対象物の位置合わせに時間を費やすことなく、迅速な測定セットアップを実現します。M8ネジの取り付けスタッドを使用して試験対象物に接着固定でき、あらゆる方向での加振が可能です。
主な特徴
Simcenter Qsources Thumper Shaker (Q-TMP) は、低周波数帯域での構造物加振試験において、優れた性能と利便性を提供します。
- 設置の手間を大幅に削減: 外部からの支持や複雑なアライメント調整が不要な自己支持型設計により、迅速かつ容易な設置を実現します。
- あらゆる角度での加振が可能: 試験対象物に対して、垂直、水平、斜めなど、任意の角度で接着固定し、加振できます。
- 5Hzからの低周波数加振に対応: 5Hzから200Hzという低周波数帯域に特化しており、大型構造物の剛体モードや低次モードの測定に適しています。
- 信頼性の高い低周波FRF取得: 低周波数域でもスケーリングされた正確なFRF測定を可能にします。
- 高精度な力測定を実現: 高感度な1D力センサーを内蔵しており、加振力を正確に測定します。
- 多様な加振信号に対応: ランダムノイズ、大振幅チャープ信号、サイン波など、様々な加振信号に対応します。
- ノイズの影響を低減: 試験対象物から電気的に完全に絶縁されているため、電磁誘導ノイズの影響を受けにくく、高分解能な測定が可能です。
- 耐久性を高める保護回路内蔵: 電子回路を保護する機能が組み込まれており、信頼性の高い運用をサポートします。
- 狭所での加振に最適: スリムなデザインにより、機械周辺などの狭いスペースでも加振点を設けることが可能です。
アプリケーションと使用事例
Simcenter Qsources Thumper Shaker (Q-TMP) は、そのユニークな特性により、多様な分野・アプリケーションで活用されています。
- 構造伝達関数測定:機械や構造物の振動特性を正確に把握するために、入力加振点から応答点までの伝達特性を測定します。
- 直接音響振動FRF測定:構造物の振動がどのように騒音に寄与するかを評価するため、加振入力に対する音響応答(音圧など)を測定します。
- 伝達経路解析 (TPA):振動や騒音がどの経路を通って伝達しているかを特定するために、各経路の寄与度を定量的に評価します。低周波数成分の正確な入力が重要となります。
- 構造モーダル解析:構造物の固有振動数、モード形状、減衰比といったモーダルパラメータを同定します。特に、船舶、風力発電ブレード、橋梁、産業機械設備などの大型構造物において、ハンマー加振では十分なエネルギーを与えにくい低周波数モードの励起に有効です。
- 車体ベンチマーキング・準静的変形測定:自動車開発において、車体の剛性や低周波振動特性を評価・比較します。特に、ボディの準静的変形(ゆっくりとした変形)を測定する際に、制御された低周波加振を提供します。
- 目標設定:開発初期段階で、目標とする振動・騒音性能を達成するための構造特性を定義する際に使用されます。
- 低周波における力-ひずみ伝達関数測定:構造物に加わる力と、それによって生じるひずみの関係性を低周波数域で正確に測定します。
- スペースが限られた場所での加振:エンジンルーム内、複雑な配管周りなど、ハンマーを振るスペースがない場所や、加振器の設置が難しい箇所での加振試験に利用されます。


技術仕様
外形寸法 |
長さ 200 mm × 直径 45 mm |
質量(ケーブル除く) |
1 kg |
有効周波数範囲 |
5 ~ 200 Hz |
力センサーの周波数応答(±2dB) |
5 ~ 200 Hz |
最大変位(ピークtoピーク) |
40 mm |
励振力レベル |
25 N rms(ランダム信号時) |
質量不可(軸方向/垂直方向) |
150 g/800 g |
電源ケーブルコネクター |
バナナプラグ(オス) |
電源ケーブル長 |
4 m |
センサーコネクター |
BNC |
センサーケーブル長 |
10 cm |
内蔵センサータイプ |
IEPE(Integrated Electronics Piezo-Electric) |
推奨アンプ |
Q-AMP |