プロジェクト管理コラム - ステークホルダー管理編(1) ステークホルダー管理とは
本コラムではプロジェクトマネージャやPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)向けに、プロジェクトを成功させるためのポイントを解説していきます。ステークホルダー管理編では、ステークホルダー管理とはどんなことをするのか、ステークホルダー管理を行うことでプロジェクトを円滑に進め、成功に導く方法などを説明します。第1回はプロジェクトマネージャの腕の見せどころともいえる、ステークホルダー管理とは何かについて解説します。
1.プロジェクトステークホルダー管理とは
今回はプロジェクト推進におけるステークホルダー管理(ステークホルダーマネジメント)についてお話をしましょう。プロジェクトマネージャが関わる「ステークホルダー」というのはどのような人物になるのでしょうか?
ステークホルダーとはWikipediaでは以下のように説明されています。
– ステークホルダー(英: stakeholder)とは、企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。日本語では利害関係者(りがいかんけいしゃ)という。(Wikipedia)
利害関係者と聞くと法律用語のようで馴染みがないかもしれませんが、簡単に言うと「決定権を持っている人」ということです。つまりプロジェクトに責任を持っている人と言ってもいいでしょう。
プロジェクトマネージャがプロジェクトを推進していく中でこのような人に対してプロジェクトの方針の決定について「お伺い」を立てながら、プロジェクトが成功する方向に誘導していくことは、プロジェクトマネージャの最も重要な仕事となります。
プロジェクトにおけるステークホルダーは小規模のプロジェクトでは1人の場合もありますが、一般的には複数人となることが多いでしょう。例えば、顧客向けにITシステムを提供する企業であれば、発注者である顧客のIT部門の責任者や顧客側のプロジェクトオーナー、システムの仕様決定の権限をもつユーザー側の仕様責任者、パートナー企業のマネージャー、また自社(受注者)側のコスト・要員に責任を持つ部長・部門長などもステークホルダーとなる場合があります。
このようなステークホルダー達とどのように接してプロジェクトを円滑に進めていくのかという手法がステークホルダー管理です。
2. プロジェクトステークホルダーとの関わり方
ステークホルダーとの関わり方で最も大切なことは「どのようにコミュニケーションしていくか」という点にあります。まさにプロジェクトマネージャの腕の見せ所となります。
当然、プロジェクトを推進していく上でプロジェクトマネージャがステークホルダーに決定をお願いするシチュエーションもありますし、プロジェクトが想定通りに進まなくなった場合などはステークホルダーへ説明し、方針の変更の了承を取る必要があります。
この時、「どのようにお願い/報告/伝達するのか」はプロジェクトマネージャのコミュニケーションスキルの技量によります。「コミュ力(りょく)」というと個々人のセンスと思いがちですが、実はロジカルなアプローチでも向上することが可能なスキルです。
皆様も日々の生活の中で、自分が気に入っている方からの意見は聞きやすい、苦手なタイプとはあまり話したくない、というようなことはあると思います。ステークホルダーも人間ですので、最初から相手を信頼して話をすることは難しいかもしれません。プロジェクトマネージャ自身が、自分は相手(ステークホルダー)にとって有用であり信用に足る人物であるということを証明していく必要があるでしょう。
次回は、これらの円滑なコミュニケーションを形成するために必要なアプローチを解説します。
丸文のプロジェクト管理ご支援について
丸文では、プロジェクト・ポートフォリオマネージメントツール「Clarity」のご提供を通じて、組織内の業務の見える化やプロジェクト管理業務の効率化をご支援しています。
現状のプロジェクト管理に課題を感じている方は丸文まで気軽にご相談ください。
【今後の情報発信について】
今後、具体例な現場のケースを例に、プロジェクトの見える化に関する実践的なコラムを掲載していく予定です。記事公開後にメールでの案内を予定しておりますので、ご興味をお持ちの方は以下のお問い合わせフォームに「Clarityメルマガ配信希望」と記入して送信お願いします。