多機能測定器 Moku:Lab


Moku:Goの上位機種であるMoku:Labはタブレットを介してワイヤレスで測定を行うことができ、複雑な測定環境をよりシンプルなデザインにします。Goと比較すると計測機器の性能が大きく向上し、特に周波数帯域やサンプリングレートが増加したことで、Goよりもさらに広い試験環境に用いることができます。また、ハードウェアの重さも約1.6Kgと軽量で、持ち運びも容易です。
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商品基礎情報
サイズ・接続部位
仕様
アナログ入力 | |
チャンネル数 | 2 |
帯域幅(-3dB) | 200 MHz into 50 Ω |
サンプリングレート | 500 MSa/s(チャンネルあたり) |
分解能 | 12bit |
最大電圧範囲 | 10 Vpp(50 Ω)、20 dB 減衰時 |
入力インピーダンス | 50Ω/1MΩ |
入力カップリング | AC/DC |
AC カップリングコーナー (-3 dB) | 100 Hz into 50 Ω |
30 Hz into 1 MΩ | |
SNR | 60 dBFS (サンプルあたり) |
入力基準ノイズ | 100kHz以上で30nV/√Hz |
コネクタ | BNC |
アナログ出力 | |
チャンネル数 | 2 |
帯域幅(-3dB) | >300 MHz |
サンプリングレート | 1 GSa/s (チャンネルあたり) |
分解能 | 16bit |
電圧範囲 | 2 Vpp into 50 Ω |
出力インピーダンス | 50 Ω |
出力カップリング | DC |
コネクタ | BNC |
外部トリガ入力 | |
トリガ波形 | TTL互換 |
トリガ帯域幅 | DC~5MHz |
トリガインピーダンス | Hi-Z |
最小トリガレベル | 1.8V |
最大トリガレベル | 5V |
コネクタ | BNC |
Mokuのソフトウェアについて
Mokuシリーズ最大の特長は、ソフトウェアの使いやすさになっています。直感的にソフトを操作することができ、ノンエキスパートの方でも安心して使用することができます。
ユーザインターフェイスはWindows もしくは MacOSに対応(従来製品、Moku:Labと同様、ipadアプリへも対応予定)。また、Python、MATLAB、LabVIEWのAPIにも対応、測定の自動化等リモート環境下でも存分に活用可能です
LIQUID INSTRUMENTSの公式ホームページから、ソフトウェアのデモモードを無料でダウンロードしていただけます。ぜひ一度その使いやすさを実感してみてください。
>>アプリダウンロードはこちら(リキッドインスツルメンツ社のHPに遷移します)
測定機能紹介
Moku:Labは、他のMokuシリーズ同様に14の計測機能を備えています。
※9種の機能はオプションとなり、別途購入が必要です。オプションとなる計測機能は下記をご参照ください。
標準機能(6種)
オプション機能(8種)
マルチインスツルメンツモード
マルチインスツルメントモードを使用することによって、2つの機能を同時に計測することが可能です。信号の生成・表示・処理を1つのデバイスから同時に実行することができます。
ファンクションジェネレーターをシステムの入力信号として使い、PIDコントローラでシステムの出力を制御する「閉ループ制御」のシステムを作成し、ロボットアームやモーターの制御アルゴリズムを構築をしたり、マイクロホンなどからの入力信号をオシロスコープで観測し、同時にロックインアンプで特定の周波数に埋もれた微弱な信号を検出・分析したりすることが可能です。
3種類の接続方法
・Wi-Fi
Moku:Lab を既存の WiFi ネットワークに接続するか、独自のワイヤレス ネットワークを作成するように構成します。
・イーサネット
Moku:Lab の 100 Mbps イーサネット ポート経由で有線ネットワークに接続します。WiFi が混雑している環境での優れたオプションです。
・USB
WiFi が制限された環境でも、iPad を介して Moku:Lab を完全に制御できます。
使用例1
Moku:Labを用いてダークマターを解明する
ダークマターは宇宙の質量の80%以上を占めると推定されており、物理学分野における最大の謎のひとつとなっています。アルバータ大学の研究グループは、NEWS-G(New Experiments with Spheres – Gas)実験と共同で、ネオンガスとメタンガスを含む球形比例計数管と呼ばれる検出器の開発に取り組んでいます。測定性能、柔軟性、コンパクトな設計の組み合わせに基づいて、研究グループはMoku:Labを選択しました。 Moku:Labのロックインアンプを使用して非常に小さな信号を検出、検出器内のメタンをオシロスコープで測定しています。
使用例2
光ファイバーの特性評価
光ファイバーの位相遅延、歪み、反射の評価には長さ測定が行われています。長さ測定には、光時間領域反射率測定法と光周波数領域反射率測定がありますが、精度やセットアップの複雑さという面が測定を難しくしていました。アムステルダムUMCの研究グループは、解決策としてMokuの位相計(Phase Meter)と任意波形発生器、そしてPython APIを組み合わせた新しいシステムを開発しました。結果、ファイバーの長さを正確に特徴付けるための、シンプルで費用対効果の高い試験環境の構築に成功しました。