ハイエンド多機能計測器Moku:Delta
実験室の機材ラックを丸ごと1台に集約する、次世代の多機能計測プラットフォーム「Moku:Delta」。オシロスコープやロックインアンプ、スペクトラムアナライザなど、14種類もの高性能計測機能を内蔵し、自在に組み合わせて使用可能です。
5 GSa/sの高速サンプリングと2 GHzのアナログ帯域、さらに入出力各8チャンネルという圧倒的なハードウェア性能を搭載。外部ケーブルに起因するノイズや遅延を極限まで排除し、完全に同期した多点計測環境を構築できます。量子光学やレーザー制御、高度なシグナルプロセッシングなどの複雑なシステム構築を劇的に簡素化。最先端研究の効率を極限まで高める、このハイエンド多機能計測器の実力を詳しく解説します。
商品基礎情報
Mokuとは
Mokuシリーズは、オシロスコープやロックインアンプなど、研究開発に不可欠な複数の計測機器を1つのハードウェアに統合した「次世代の多機能計測プラットフォーム」です。
従来のように「1つの機能=1つの専用ハードウェア」を購入するのではなく、強力なFPGAチップをベースにしたソフトウェア・デファインド(ソフトウェアで機能を定義する)アーキテクチャを採用することで、以下のような革新をもたらしました。
- 1台で14役以上。ラボのスペースと予算を解放
オシロスコープ、多周波ロックインアンプ、スペクトラムアナライザ、PIDコントローラー、任意波形発生器など、最大14種類以上のプロフェッショナルな計測機器がこの1台に収まっています。必要な機能をソフトウェア上で瞬時に切り替えて使用できるため、巨大な機材ラックは不要になり、導入コストも劇的に削減できます。
- 直感的なUIと「マルチインスツルメントモード」
PCやタブレットからの直感的な操作で、複数の計測器を同時に立ち上げることができます。さらに、機器同士の接続をソフトウェア上のドラッグ&ドロップで行う「マルチインスツルメントモード」により、物理的なBNCケーブルを使わずに、内部のデジタル領域でノイズレスかつ低遅延な信号の受け渡しが可能です。
- 常に進化し続ける計測器
一度購入したら機能が固定される従来のアナログ機器とは異なり、Mokuはソフトウェアのアップデートによって新しい計測機能や性能向上が継続的に提供されます。研究の進展に合わせて、常に最新の機能を利用し続けることができます。現代の複雑な研究環境に不可欠なこの「柔軟性」と「多機能性」のコンセプトを極限まで高め、シリーズ最高峰のスペックと業界初のAI技術を搭載したフラッグシップモデルが、本ページでご紹介する「Moku:Delta」です。
ハイエンド多機能計測器Moku:Delta
Moku:Deltaは、これまでの統合型計測器の常識を打ち破る圧倒的なハードウェアスペックを誇ります。大規模で複雑な実験環境を、この1台のスマートな筐体でコントロールすることが可能です。
■ 主要ハードウェア・スペック
アナログ入出力: 8チャンネル
アナログ帯域幅: 2 GHz
サンプリングレート: 5 GSa/s
ADC(アナログ-デジタル変換)分解能: 14Bit および 20BitのブレンドADC
超低遅延フィードバック: 入出力遅延:450 ns未満
Moku:Deltaに内蔵された主要計測機能
専用設計の直感的なソフトウェアにより、1台に集約された最大14種の計測機能を、必要に応じて素早く切り替えて使用可能です。
主なアプリケーション
- 超伝導・トラップイオン量子ビットのマルチチャンネル制御
量子コンピューティング研究において、複数の量子ビット(キュービット)の制御や、状態の読み出し(リーディングアウト)を完全同期で行うアプリケーションです。オシロスコープ、任意波形発生器、ロックインアンプを同時に稼働させ、1台で大規模かつ精密な量子制御システムを構築します。 - レーザー周波数安定化・PDHロッキング(精密光学)
光格子時計や量子光学実験に不可欠な、超高精度レーザーの周波数・位相安定化(PDHロッキングなど)を完結させるアプリケーションです。内蔵のレーザーロックボックスやPIDコントローラーを内部デジタル配線で直結。外部ケーブルノイズを一切拾うことなく、450 ns未満の超低遅延フィードバックループを実現します。 - 次世代通信(5G/6G)におけるフェーズドアレイ・MIMOテスト
ミリ波レーダーや高速ワイヤレス通信の開発において、多数のチャンネル間で完全に位相が揃った信号出力とリアルタイム解析を行うアプリケーションです。Moku:Deltaの入出力各8チャンネルや高速サンプリング能力をフル活用し、複雑なフェーズドアレイ(位相配列)やMIMOの試験系をスマートに統合します。 - 独自アルゴリズムを用いたカスタム量子フィードバック実験
量子状態の超高速な条件付きフィードバック制御など、市販の計測器にはない「独自のシグナル処理」をFPGA上に実装するアプリケーションです。Moku Compile機能により、ユーザーがVHDLやVerilogで記述したカスタムコードを直接デプロイし、超低遅延でのリアルタイム独自制御実験を可能にします。 - 大規模多点センサーの高速・長時間データロギング
宇宙航空分野、アビオニクス、構造物のヘルスモニタリング等において、多数のセンサーから出力される高帯域なアナログ信号を同期して記録するアプリケーションです。本体内蔵の1 TB高速SSDや100 Gb/s QSFPポートを活用し、PCの処理速度に依存しないリアルタイムかつ長時間の連続データストリーミングを実行します。
マルチインスツルメンツモード
Moku:Deltaでは、1台のハードウェア内で最大8つの高性能計測機能を完全に独立、かつ同時に起動し、高度な計測環境を自由に構築できます。計測機能(ロックインアンプ、PIDコントローラー、オシロスコープなど)の接続は、PCやタブレットの画面上で直感的にリンク可能。各機能は、すべてのアナログ入出力や隣接するスロットへ自由にアクセスできます。