ミリ波レーダ パートナー企業のご紹介1 [PATHPARTNER]


PATHPARTNER / PP Radar SDKのご紹介
PP社はインドのバンガロールを拠点とするソフトウェアベンダです。特にデジタル信号処理を得意としており、DSPやプロセッサ等多くの組み込みデバイスで開発実績があります。
すでにミリ波レーダに関するコンテンツでご紹介しているとおり、ミリ波レーダとデジタル信号処理は密接な関係があります。例として、図1に一般的なレーダ信号処理のソフトウェア・パイプラインを⽰します。
図1
こちらの例では、
- Range/Doppler FFTや到来⾓角度推定(DoA = Direction of Arrival)
- 検知した点群のクラスタリング(グルーピング)
- 検知した位置の追跡処理(トラッキング)
の信号処理を、システムに搭載したDSPやマイコンで実現しています。
一般的に、これらの信号処理のための基本的なソフトウェア・コンポーネントは、MMIC、DSP、マイコンベンダーからSDK (Software Development Kit)として公開されており、そのSDKを活用することでシステムに独自のソフトウェアを組み込むことになります(図2)。
図2
これらのSDKを使用したソフトウェア開発は、デジタル信号処理の初心者にとっては少々とっつきにくいかもしれません。例えば、ソフトウェア開発者は以下のような点について理解する必要があります。
- レーダ信号処理
- SDKのフレームワークや開発環境
- 算術ライブラリの使い方
- 独自アルゴリズムの開発、追加、最適化⽅法
- etc…
さて、ミリ波レーダモジュール TITAN ではどうでしょうか?PP社はTITANでも使用可能なPP Radar SDKを提供しており、高度なレーダ信号処理をサポートしています(図3)。
特に、
- DBSCANアルゴリズムを使用した、点群のクラスタリング(グルーピング)
- MUSICアルゴリズムを使⽤した、⾼解像度な到来⾓度推定
- JPDAFアルゴリズムおよびカルマンフィルタを使⽤した、物標の追跡(トラッキング)
等の特徴的なコンポーネントによって⾼レーダの高精度化を実現しており、ユーザはこれらのAPIを活用⽤することで、より⼿簡単にソフトウェアを実装することが可能となります。
図3
PP Radar SDKをミリ波レーダモジュールTITANで評価するには?
PP Radar SDKをミリ波レーダモジュールTITANで評価するにはどうしたらよいでしょうか?
TITANは技適対応済みの評価モジュールとなりますので、モジュールに内蔵するMMICのファームウェアを変更することはできません。この制約により、PP Radar SDKを評価するための方法がないように思われるかもしれません。しかし、TITAN T14シリーズでサポートされているRawDataCapture機能を活用し、さらにPC上でPP Radar SDKの信号処理パイプラインを構成することで、TITANのファームウェアを書き換えることなく無償でPP Radar SDKの性能を評価することができるのです(T14 Radar Showcase)。
まとめ
今回はミリ波レーダの信号処理に精通しているPP社、および、PP Radar SDKの概要をご紹介しました。
TITANのミリ波レーダモジュールプラットフォームにPP社のレーダ技術を組み合わせることで、さらに高精度にレーダ機能を実現することが可能となります。そして、PP Radar SDKの最も簡単な評価方法として、当社は、T14 Radar Showcaseを無償でご提供しています。こちらについてもお気軽にお問い合わせください。