プロンプトからカスタム計測器を自動生成|GenInst Studio
「欲しい機能がない」「FPGAを開発する余裕がない」という現場の課題を、AIが即座に解決します。
Liquid Instrumentsの「GenInst Studio」は、自然言語の指示からハードウェアレベルの専用計測器を数分で自律生成する画期的なツールです。開発期間を「数ヶ月から数分」へと劇的に縮め、エンジニアが本来の検証業務に集中できる環境を実現する最新ソリューションをご紹介します。
多機能計測器「Moku」シリーズとは?
Mokuシリーズは、オシロスコープ、スペクトラムアナライザ、ロックインアンプなど、最大14種類以上の計測機能を1台に統合した次世代の計測プラットフォームです。
直感的なソフトウェアUIを通じて機器の構成を瞬時に変更できるため、実験台のスペースを節約し、コストとシステムの複雑さを最小限に抑えることができます。帯域幅や用途に応じて、フラグシップモデルの「Moku:Delta」、5 GSa/sに対応する「Moku:Pro」、コストパフォーマンスに優れた「Moku:Go」など、幅広いラインナップが用意されています。
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| Moku:Delta |
| 5 GSa/sの8つの入出力チャンネル。2GHzアナログ帯域幅で14Bitと20BitのブレンドADC 生成AI機能を搭載した新モデルで、計測環境を簡単かつ自由に構築することができます。 |
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| Moku:Pro | Moku:Go |
| 600MHzの帯域幅で、4つの入出力チャンネルを備えたフラグシップ機モデル | 30MHzの帯域幅で、アナログ入出力 各 2 ch、最大サンプリングレート 125 MSa/s。 |
開発現場のジレンマ:市販計測器の限界とFPGA開発の壁
新しいプロジェクトや先端研究において、「既存の計測器では要件を満たせない」「複数の機器を無理に組み合わせて使っている」といった課題は少なくありません。このような場合、理想的な解決策はFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて独自の計測環境を構築することです。 しかし、従来のFPGA開発には、HDL(ハードウェア記述言語)の深い専門知識が必要であり、コードの実装からシミュレーション、デバッグまでに数ヶ月の期間を要するのが一般的でした。また、新たな機材の調達や承認サイクルも、開発スピードを低下させる大きなボトルネックとなっていました。
「計測に応じて計測器を設定する」GenInst Studioとは?
このFPGA開発の壁を打ち破るのが、Liquid Instruments社が提供する「GenInst Studio」です。これは「Generative Instrumentation」と呼ばれる新しい技術領域のプラットフォームであり、エンジニアが自然言語(プロンプト)で「作りたい計測器の仕様」を説明するだけで、AIが自動的にハードウェアレベルの計測器を設計・生成します。 一般的なソフトウェア用AIコード生成ツール(LLM)とは異なり、単にコードを書くだけではありません。エージェント型AIがテストベンチを構築し、シミュレーションによるテスト検証を自律的に反復します。すべてのテストをパスした「検証済み」の計測器だけを出力するため、高い信頼性と再現性が担保されるのが最大の特長です。
圧倒的なスピードを実現するGenInst Studioのワークフロー
GenInst Studioを使用すると、以下の3ステップにより数ヶ月かかっていたカスタム機器開発が数分に短縮されます。
Prompt(仕様策定): チャット画面で「どのような計測器を作りたいか」を入力します。AIが要件を整理し、アーキテクチャやレジスタ構成のプランを作成・提示します。
Build & Verify(自動構築・検証): ユーザーの承認後、AIがHDLコードを記述し、テストプランに基づくシミュレーションを自律的に実行します。エラーがあれば自動で修正を繰り返し、完璧に動作するまで検証を行います。
Deploy(実機展開): 生成された計測器ファイルをダウンロードし、手元のMokuデバイスの「マルチインストゥルメントモード(MIM)」にロードするだけで、すぐに実機上で稼働します。
具体的な用途とユースケース
GenInst Studioは、リアルタイム性や決定論的なタイミング制御が求められる用途で特に威力を発揮します。ゼロデッドタイムでの全サンプル処理や、特定のアルゴリズムに基づいた瞬時のフィードバックが必要な場面において、FPGAの知識が全くないテストエンジニアや研究者自身の手で、以下のような高度なカスタム機器を構築可能です。
1.トリガーおよびリアルタイム信号解析
一般的なオシロスコープの標準エッジトリガーでは捉えきれない、複雑な条件の特定や解析をハードウェアレベルで実行します。
- デュアル周波数帯域トリガー:2つの独立した入力チャンネルに対し、それぞれ特定の周波数帯域としきい値を設定し、その帯域内に信号が含まれている場合にのみ出力(パルス)を生成する専用トリガーです。
- パルスアナライザ:入力パルスを監視し、立ち上がり/立ち下がり時間、パルス幅、デューティ比、セトリング時間、パルス繰り返し周波数といったタイミングパラメータのフルセットをリアルタイムに測定します。
- 位相比較器(Phase-Frequency Detector):2つの入力(VCOとREF)をデジタル化し、それらの相対的なタイミングから位相と周波数の差を示すUP/DOWN出力を直接生成します。
2.信号の条件付け・ルーティングと特殊フィルタリング
信号を変換・修正し、処理パスへのルーティングをミリ秒以下の精度で制御します。
- ライン遅延(可変入力バッファ):プログラム可能なサンプル遅延をラインごとに適用し、正確なタイミング制御のもとで入力信号をバッファリング・再生します。低周波信号に対してはデシメーション処理による長時間の遅延も可能です。
- パルス整形フィルタ:入力されるパルスストリームに対し、Sinc、ガウシアン、レイズドコサイン、パススルーなどの整形フィルタを実行時に選択・適用できる専用フィルタモジュールを構築できます。
3.閉ループ制御とフィードバック
入力を測定し、補正値を計算して決定論的なレイテンシ(遅延)で出力へ反映させるシステムを構築します。
- カスタム制御ループ:独自のランプPIDコントローラー、PLL(位相同期回路)、あるいは過電圧保護コントローラーなど、市販のPIDコントローラでは対応できない特定のアルゴリズムを組み込んだ制御機器を作成できます。
4.高度なRFスペクトル解析とプロトコル検証
通信規格のテストや、特定のデータバスの挙動を監視する専用機器として機能します。
- 隣接チャネル漏洩電力(ACP)メーター:無線通信規格のコンプライアンス評価や、送信機のスペクトル純度を評価するため、メイン帯域と隣接するサイドバンドへ漏れる電力を高精度に測定し、dB値で出力するパワーアナライザを即時に構築します。
- DACレイテンシアナライザ:コンバータ間のエンドツーエンドの遅延特性を正確に評価します。
- 通信プロトコルの生成と解析:JTAGパターンテスターおよびグリッチ注入器、I2Cデコーダーなど、バス速度に追従してデジタル通信プロトコルをエンコード・デコードする専用ツールも作成可能です。
まとめ
これまで、特殊な測定要件に直面したエンジニアや研究者は、「要件を満たさない市販の計測器で妥協する」か「数ヶ月かけてFPGAを自社開発する」かの二択を迫られてきました。しかし、多機能計測器「Moku」シリーズと「GenInst Studio」の組み合わせにより、その常識は大きく覆ります。
「ジェネレーティブ計測」という新たなアプローチは、FPGA開発の専門知識や新規機材の調達サイクルを完全に不要にし、アイデアを思いついてから検証済みのカスタム計測器が稼働するまでのリードタイムを「数ヶ月から数分」へと劇的に短縮します。これにより、開発者はテスト環境の構築や制約に悩まされることなく、本来のミッションである「データの取得と革新的な分析」にリソースを集中させることが可能になります。
さらに、GenInst StudioにはMokuアカウントの登録のみで利用できる無償の「Baseプラン(年間最大10ビルドまで作成可能)」も用意されており、導入のハードルを低く抑えつつ、次世代の計測環境を体験いただくことが可能です。
「現在の計測環境に限界を感じている」「プロジェクトごとに専用の測定環境を素早く、コストを抑えて構築したい」といった課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。多機能測定器Mokuシリーズの最適なモデル選定から、GenInst Studioを活用したデモの実施まで、お客様のユースケースに合わせた最先端のテスト環境をご提案いたします。
多機能測定器Mokuを導入する際は、ぜひお気軽にご相談ください。


